09. 迷路


街のざわめき 交差点
人ゴミの中 君を見つけた
ぼくが知ってる 面影を
そのままに 残していたよ

ぼくのことは 視界にも入れず
君は通り過ぎて行った

人も少ない 路地裏
こんなとこでも 君を見つけた
ぼくが知らない 微笑みを
右の頬に 浮かべてた

声もかけず 瞳も交わさず
君は今を生きてるんだね

ぼくは まだ 記憶から抜け出せない
昔 流行った 迷路みたい
同じ道を 行ったり来たりして




雪も積もった 夜の海
吐息までも 吸い込まれてく
君とぼくの 想い出さえ
全て消し去って行くように

前を向いて 振り返らずに
君は今を生きてるんだね

ぼくは まだ 記憶から抜け出せない
君の面影 抱いているよ
迷路の片隅で うずくまったまま


最後に君が 言ってくれた“言葉”
『いつか必ず 前に進める』と


ぼくは まだ 迷路から抜け出せない
だけど ここから 前に進もう
君に負けず ぼくも 今を生きよう


君は 今を 生きてるんだね
ぼくも 今を 生きて行くよ
Written by Miyuki Kawabata