12. カゴの鳥


小鳥は 空を 飛びたかった
小さな カゴに 入れられていた
もがけば もがくほど
自分で 羽根を 傷つけていた

傷ついた 羽根は 痛かったけど
それでも 小鳥は 飛びたかった
いつしか 見つけてくれる
誰かを 必死に 探していた

何にもしないで 待っているだけならば
誰にも見つけてもらえやしないはず
そのことに 今 やっと 気付いた 小鳥は
歌を心から歌おうと思った

心からの その歌は
誰かの 耳にとまり
いつしか 小鳥のまわりに
人の輪が 出来ていた




小鳥は 空を 飛びたかった
夢中で 歌を 歌い続けた
いつしか カゴのドアが
開いたことにも 気付かなかった

カゴのドアを開けるきっかけになったのは
自分の心のカギを開けたことで
そのことに 今 やっと 気付いた小鳥は
ここでいつまでも歌おうと思った

心からの その歌は
みんなの 耳にとまり
いつでも 小鳥のまわりは
幸せに 満ちていた


自由に 空を 飛べる 今
小さな 翼を 羽ばたかせて
跳んでも 最後には
カゴの中で 歌っている

自分の居場所を 見つけていた
ずっと ずっと 歌い続ける
Written by Miyuki Kawabata