56. 笑顔のままで


朝を包む まぶしい日射し
誰か想う 優しい気持ち
いつか出逢う 悲しみさえ
遠ざけられたなら

流れる雲が 微笑みかける
街の草木が ささやきかける
胸の奥の 小さな痛み
癒されて行くよう

生まれて初めて気付く
トキメキに戸惑っていた
月の光の中に 宝物
見つけたなら
ぬくもりを抱きしめて
素直になれない
心だけ あなたのもとへ


涼しい風が 頬を撫でていく
星座のかけら 明日を照らす
凍えそうな この身体ごと
溶かして行くよう

何も出来ないままに
託している 募る想いを
すぐに届きそうなのに 届かない
このメロディ
せつなさを抱きしめて
一番近くで
見つめている あなたのことを


雨の雫の下に
映している 願い事
全て包み込むような 微笑みで
あの日のまま
愛しさを抱きしめて
言葉にならない
この想い 伝えないまま

見守っている 笑顔のままで

Written by Miyuki Kawabata